塾の先生へ

 

突然ですが、この問題をノーヒントで幼稚園の年長さんが解いたと言ったら、信じてもらえるでしょうか?(文章は読んであげました) 

 

小学1年生、2年生くらいまでいけば、かなりの子たちが自力で正解を出すことができます。

 

<S5級-05>★★

三つ目小僧チームと一つ目小僧チームがドッジボールをしています。三つ目小僧チームのほうが2人多いようです。全員の目の合計は22個です。三つ目小僧チームは何人いるでしょうか。

 

 

年長さんが解いた実際の写真はこのページの一番下に掲載してあります。

指導困難な子どもたち

 

今、子どもたちの教育の最前線に立つ塾の先生方は、親でさえ気がついていない子どもたちの問題に直面し、日々奮闘されていることと存じます。

 

親でさえ気がついていない子どもたちの問題・・・。

 

自分の頭で考えようとしない。

 

考えることを拒絶している。

 

逐一指示や伺いを立てないと動けない。

 

「勉強」を前にすると、表情が固まり、思考が止まる。

 

そんな、考えようとしない子たちの比率が昔より高まっているように思います。

 

 

そして、指導を困難にしているのが理解力の無さではないでしょうか。

 

どれだけ説明をしても、類題さえ解けない子たち、ようやく解けるようになって反復練習をしても、他の単元の学習に入るともう忘れてしまう・・・。

 

毎日通っている学校では何をしているんだと、私自身憤りを感じたことがありますが、すでに学校ではまともな授業を受けることが困難になっていて、子どもたちの学力は塾頼りという現実もあります。


毎日通う学校ではなく、週に2日の塾に向かう保護者のプレッシャー・・・。

 

どうしても塾だけの時間では足りずに、宿題を出さざるを得ないでしょう。

そうすると、学校の宿題と他の習い事もある忙しい子どもたちは、疲れてエネルギーを失っていく。

 

この、子どもたちの教育現場に漂う、無力感と絶望感。

私自身、散々味わいました。

 

週1日で成績が上がらないことを咎められても、それは私の責任ではないでしょうと。

勉強どころじゃない子たちを預かっているんだから、面倒料だよと心の中で呟いて。

 

昔の話です。

 

次期学習指導要領「生きる力」

文部科学省は、次期学習指導要領「生きる力」を公示しました。

 

小学校では2020年度、中学校では2021年度から実施される予定で、すでに移行期間になっており、学校も変わることを強く求められています。

 

求められる資質・能力として、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱が整理されました。

 

現実の子どもたちをみて、この目標に舵をとることは悪くありませんが、「ゆとり教育」の時も具体的な手法がなかった教育現場は大いに迷走しましたので、我々教育業界もまたそれに振り回されることになります。

 

また、約30年ぶりに大学入試制度も大きく変わります。

 

文部科学省は新しい大学入試で、「学力の三要素」を多面的・総合的に評価することをめざしています。

 

「学力の三要素」とは、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性・多様性・協働性」のことです。

これらのことは、「知識・技能」をどう活用するか、思考力・判断力・表現力を問うとはっきり言っています。

 

これらは、従来型の学習では身につきません。


地頭を鍛える学習

このHPで紹介している地頭を鍛える学習は、まさに思考力・判断力・表現力を育てる学習です。

 

従来型の学習とは全く異なります。

 

解き方を知らない文章問題を前にした子どもたちは、

 

言葉を絵にしその絵を動かして(思考して)答えを探します。

 

このやり方でいいかな?よしやってみよう。

このやり方ではたどり着けなかったから、違うやり方を試してみよう。

この場合は、このやり方でいけそうだから(判断して)やってみよう。

 

この問題は、こういう流れで解いたんだよ。

ここがこうだから、こうして答えが出たよ。

子どもたちは教えてくれます。(表現力)


思考力・判断力・表現力、全て育つようにできています。

 

指導が楽になります

地頭を鍛える学習、考える学習は、指導者が頑張る必要はありません。

 

適切な環境を整え、子どもが考えるのを邪魔しない、見守る、必要な時にだけ手を貸す。

これは指導者にとってとても有難いことです。

「教える」という、生徒によってはザルで水をすくうような過酷な労働をしなくて済むようになります。

 

そして、その子が何をわかっていて、何をわかっていないのか、絵を描いて答えを探す過程から、そのポイントが浮き彫りになりますので、指導もポイントをおさえた効率的なものになります。

 

倍の絵が描けない子は、「倍」がわかっていません。
~より少ない絵が描けない子は、「~より少ない」がわかっていません。

「半分の半分」、「何番目」、「何分の何」「単位の換算」等何がわかっていないのかが、絵の中にあらわれるのです。

 

だから、指導者はそこにポイントを絞って理解させてあげればいいのです。

 

不安を抱える保護者にも、これから必要とされる、新しい指導要領や大学入試制度にも対応した、生涯使える本当の学力を育てますと堂々と言うことが出来ます。

 

 

高校入試の問題を小学生が自力で解く

自分で考えるということを知った子たちなら、高校入試の文章問題をノーヒントで自分だけの力で解く子とも、特に不思議な事ではありません。

 

これは小学3年生が、千葉県の2017年の高校入試問題を解いたものです。

中学3年ではなく、 小学3年生です。

あきこさんは、1.8km離れた駅に向けて家を出発した。それから14分後に、お父さんは自転車で家を出発し、同じ道を通って駅に向かった。あきこさんは分速60m、お父さんは分速200mでそれぞれ一定の速さで進むとすると、お父さんが家を出発してから何分後に追いつくか、求めなさい。  (2017年度 千葉県公立高校入試 数学 前期問題)

子どもたちが変わる

 

今の学習スタイルに変えてからは、子どもたちは私が勉強を教えていないのにどんどん賢くなっています。

 

学校の文章問題よりはるかに難しい文章問題を自力で解いています。

 

「わからない」

 

「習っていない」

 

「これ何算?」

 

などという言葉は言わなくなりました。

 

中学受験をする子達が、分かりやすい授業と大量のパターン学習で身につけるような問題を、時間はかかっても解き方を教わらずに自分の力だけで答えを見つけるようになりました。

 

習っていない、解き方を知らない問題を楽しむようになりました。

 

社会に出た時に、困難を工夫して乗りこえ、人生を楽しむ力を身に付けつつあります

 

どうでしょう、一緒にこういう子こどもたちを育ててみませんか?

 

一人の教育者として。 

 

導入に興味がある方はこちら

年長さんが解いた作品