塾の先生へ

はじめまして。

金森 明(かなもり あきら)と申します。

千葉県松戸市で学習教室を経営しております。

 

私が塾を開いたのは、上場企業の人事管理職として、一万人以上の履歴書に目を通し、三千人近くの学生・社会人を面接し、新人教育をしてきて

 

「いい大学を出ているのに、自分の頭で考えられない人間があまりに多い」

 

ことに危機感を持ち、自分の息子たちの教育を人任せにはできないと思ったからです。

 

そして、2009年3月にフランチャイズの学習塾を開きました。

新参の塾というのは実績がないので学力不振の子が集まりやすいのですが、

 

 

それにしても想像以上でした!

 

はっきり言って勉強以前の問題でした。本当に何を言っても、優しく丁寧に、何度も何度も教えて、一緒にやってみても、全部素通りしてしまうのです。考える力が全然育っていない子のあまりの多さに、この国の将来は大丈夫かと本気で心配になりました。

 

今でこそ、そういう子が増えている理由と対処方法がわかりましたが、当時は反復学習でとりあえずその単元ができるようにはなるものの、ちょっと違う聞かれ方をしたら全然答えられない子たちのために、

 

速読聴

音読

右脳トレーニング

読書

そろばん

百マス計算            などなど

 

理解力・読解力を身につけるのに良いとされる様々な手法を試しました。でもその手法で子ども達が賢くなる道筋が見いだせずに試行錯誤の日々をおくりました。

 

学校の単元の徹底反復学習や、定期テストの対策プリントを大量にこなせばテストの点数は簡単にあがりましたので、塾としてはそれなりに結果は出せていましたが、小学生に関してはスピードを求めて計算が速くなるほど文章を読めなくなる子がでてきて、これではいけないと思っていました。

 

なにより自分の子どもを育てようと思って始めた教室でしたので、テストの点数がいいという表面的な学力が身についても、自分で考えられないままでは全然意味がないと思っていました。

 

そんな時にどんぐり倶楽部の「言葉はイメージを導くための引き金(トリガー)である」という「言葉のトリガー理論」に出会いました。

 

私達の頭の中にあるのは言葉ではなくイメージだから、言葉を聞いたら(読んだら)それを頭の中にイメージを再現し、それを変形させて物を考える。

 

これだと思いました。すらすら文章を読むことができ、言葉の意味もたくさん知っていて、計算スピードも抜群の子たちが、なぜ学力不振なのかの答えがそこにあると思いました。

 

1年間どんぐり倶楽部の理論を自分なりに検証し、息子と塾生たちに試し、間違いないと確信した頃、丁度塾を開いて2年後にフランチャイズを脱退しました。

 

私が実際に出会った子供達の一例(小学校高学年と中学生)を紹介したいと思います。

・足が4本のひよこを描く

・カブト虫とクワガタ虫の違いがわからない

・でんでん虫を知らない

・てんとう虫を知らない

・芋虫が蝶になることを知らない

・一週間は60日と書く

・カブト虫の足は4本にする

・沸騰すると水が増えると思っている

・中学生が年長さんの文章問題を解けない

 

などなど。これでも、ほんの一例にすぎないのです。

 

恐ろしいのは、その子達が、学校の宿題をしっかりやり、塾や通信教育を何年もやってきて、学校のテストではしっかり点数をとっているということです。

 

原因はわかっています。

小さい頃から知育DVDやテレビ、DSなどのメディアに囲まれ、英会話教室やスイミングなど毎日習い事に通わされ、「外で思う存分遊ぶ」時間を奪われ、学校からは学力養成とは程遠い単純な繰り返しの宿題が大量に出て、塾ではテストに出る範囲か、馬鹿の一つ覚えのような「徹底反復」ばかり。

 

そんな毎日では人間らしい心は育たないのがあたり前です。表情は消えていき、言われたことを淡々とこなすロボットのように育つのも納得できます。私には、子供達が、疲れ切ったサラリーマンのように見えました

 

小学生への「徹底反復」が子供達から「考える力」を奪うのです。不思議に思われる方もいるでしょうが、現代ではそうなのです。

 

思う存分外遊びの中で「賢く」育っていた昔の子供達が相手なら、「基本は反復」でもわるくはなかったのです。ですが、それは、十分な遊びの中で、思考力養成を子供自身が出来る環境にあったからにすぎません。今の時代は環境が余りにも異なってきているのです。

 

・計算は速くなったけど「考える力」は育っていない。

・テストの点数はあがったけど「考える力」は育っていない。

・習っていない問題を「工夫」して解く力は身についていない。

子ども達を見ていて、よく御存じだと思います。

 

私の教室では、こういったことをやめました。

・点数はとれるけど、「考える力」を奪う反復学習と先取り学習

・小学生には多すぎる授業

・保護者に受けのいい無駄な宿題

 

そうしたら、みるみる子供達は賢くなっていきました。

 

中学受験をする子達が、分かりやすい授業と大量のパターン学習で身につけるような問題を、時間はかかっても解き方を教わらずに自分の力だけで答えを見つけるようになりました。習っていない、解き方を知らない問題を楽しむようになりました。

 

社会に出た時に、

     困難を工夫して乗りこえ、

          人生を楽しむ力を身に付けつつあります

 

そして、自分自身がすくわれました。

「子どもたちの人間的な成長」よりも自分の生活(利益)を優先しているかもしれないという罪悪感から解放されたのです。今は、将来日本を背負う子供達を育てているという充実感に満たされています。

 

その一方で、表面的な学力を追い求め、子供達から「自ら考え行動する力」を奪い続けている今の世の中の流れを憂いています。

 

どうでしょう、一緒にこういう子供達を育ててみませんか?

 

一人の教育者として。