地頭を鍛える

「地頭」…大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ。一般に知識の多寡でなく、論理的思考力やコミュニケーション能力などをいう  出典/大辞泉

 

そう、言葉の通り地頭を鍛えるのです。算数の問題ごとに解き方を覚えるのではなく、どんな問題がでても対応できる柔軟な頭、創意工夫できる頭に育てるのです。

 

どうすればよいでしょうか?

答えはシンプルです。そういう育て方をすればよいのです。

 

日常生活では、単純な刺激の繰り返し(テレビゲーム、テレビ等)の時間を減らし

 

勉強では同じような問題を大量に解いたり、単純な計算をひたすら繰り返す学習を減らして、解き方を知らない、教わっていない、じっくり考えなければ解けない問題に粘り強くチャレンジすればよいのです。

S5級-44★★

ひよこ組のお友達が、3人ずつの班をつくったら2人あまりました。班の数は変えずに4人ずつにしようとしたら3人足りませんでした。ひよこ組は全部で何人いるでしょうか。

 

息子が小学2年生の時にやった問題です。

初めてみるタイプの問題で、ノーヒントでしたが、絵図に表しながら答えを探し出しました。

 

中学生はこの問題を方程式で解きます。

班の数をXにして 

 3X+2=4X-3、X=5 

Xに5を代入して   答 17人

 

でもたし算とひき算しか出来ない低学年でも、地頭を鍛えれば工夫して解けるんです。

 

その他の作品


次男も小2の6月に初挑戦で解きました。問題文を読んだだけではわからなくても、絵図にすることで解けるのです。
もちろんノーヒントです。

ひよこ問題から5ヵ月後、類題に挑戦しましたが、難なく解きました。

<S4級-83>★★★
ひろあき君が摘んできたケラケラ笑い花を、幼稚園の全部のクラスに4本ずつ飾ると4本余ります。5本ずつ飾ろうとすると、3本足りなくなってしまいました。ひろあき君はケラケラ笑い花を何本摘んできたでしょうか。

さらに9ヶ月後類題に挑戦しました。

<S1級-20>★★★★★★
今日はろくろっ首のお菊さんとのっぺらぼうの大吉の結婚式です。日本の妖怪なのになぜか教会で式を挙げるそうです。2人の両親と友人の妖怪が教会の長椅子に座る時、3人ずつだと4人が座れず、4人ずつだと長椅子は3脚も余ってしまいます。教会には何人の友人が集まったと思いますか。

               解説動画⇒


イメージする力

自立学習


文章をスラスラ読めても、言葉の意味が解っても、文章問題が苦手という子は、「言葉」から「イメージする力」が弱いのです。

 

イメージできないから、「わからない」のです。イメージする力を育てるために、文章問題の言葉を丁寧に絵にして答えを見つけます。

 

問題を読んで、式を作って答えを出す・・・×

問題を読んで、絵を描いて答えを出す・・・○

式は答えを出した後に作ればいいんです。

子ども達は解き方を教わらずに答えを探しますので、完全に自立して学習します。

 

言葉の意味や漢字の読みがわからないところは質問できますが、原則として解く時はノーヒントです。問題を解き終わったら、指導者と一緒に思考の道筋を確認します。(高学年は伝えてもらいます)
 

何となく正解では意味がないのです。答えが間違っていても、答えを探す過程が地頭を鍛えるのです。指導者は解き方は教えずコーチングに徹します。


オリジナル教材

考える方法


当教室では「教える」ための教材ではなく、子どもが自分で「試行錯誤をして解く」ための教材を使っています。

 

学校の単元毎に作られた問題とはまったく違い、子どもたちは見たことのない、教わったことのない問題に挑戦します。

 

でてくるキャラクターも愉快なものが多いので、楽しみながら難問を解いていく姿は感動です。

「考えなさい」と言われても子ども達は「考える」方法を知りませんので困ってしまいます。

 

知らないので、出て来た数字を掛けたり、割ったり、引いたり、足したりを繰り返す子もいます。

 

「考える」ということは「計算をする」ことではないのです。だから「考える」子を育てようと思ったら「考える」方法を教え、「考える」練習をしてあげればよいのです。


わからないがわかる

読解力がつく


文章を全て絵にしていく過程で、子どもたちが何を理解していないかが見えてきます。

 

「▲倍」 「ずつ」 「~より○個多い」

「●%」 「1/3」などなど

 

曖昧な理解をしていると絵に出来ないので、子どもたちのわからない所がわかります。あとは一つ一つじっくり理解出来るようにすれば良いのです。

文章を絵にしていくということは、言葉の一つ一つをイメージしてそれを紙に落としていく緻密な作業です。

 

全てを正確に絵にするには文章を精読する必要があります。その結果、算数の問題を解いているのに自然と読解力がついてきます。

 

たくさん本を読んでも、イメージできない、飛ばし読みをする子は読解力が低いことがありますからね。


深い読解

S5-57>★★

阿修羅君は6本の手と3つの顔があります。だから、ご飯中に勉強しながらテレビを見ることができます。(いけませんね~)ある日お父さんから「阿修羅、パパの両肩を叩いてくれないか?」と言われたので、なんと歯ブラシで歯を磨きながら空いている手1本につき6回ずつ叩いてあげることにしました。阿修羅君はお父さんの両肩を交互に叩いたとすると、お父さんの左肩は何回叩かれたでしょうか。

 

この問題を小学3年生が解いたのが右の絵です。

用意してある答は15回ですがこの子の答は9回でした。絵を良く見るとわかるのですが、阿修羅君が3本の歯ブラシを持って歯磨きをしています。

 

口は3つ、腕は6本、3本の歯ブラシを使うのが自然だろうと阿修羅君になって考えて絵を描いたのです。もちろん大正解です。ここまで深く読解できるなんて素晴らしいですよね。

 

※お絵かき算数ドリルは正解を出すことが目的ではなく力をつけるための問題なので、学校の問題よりも曖昧に作っています。だからとらえ方次第で答が変わってもいいのです。

自分で絵を描くから自分の力になる

勉強を教える時に、子どもたちに絵図を描いて説明するとわかってもらえることが多いです。言葉よりも文字よりも絵図のほうがはるかに高度な情報伝達方法なのです。

 

しかし、絵図で説明されてもそれはすぐに記憶から消えてしまいます。

自分で描いた絵図ではないからです。

 

問題文を全て自分で絵図にしていくことで、記憶に深く刻まれます。すると、次に似たような問題や、複雑な発展問題に出会ったときにその記憶を使うことが出来るのです。

 

絵のたくさん描いてあるテキストや動画の授業は何度も読んだり聞いたりしなければ記憶に残りにくいですが、自分で描いた絵図は、一度で記憶に残るのです。

 

実際子どもたちは、1年以上前にやった問題をはっきり覚えていることが多いのです。