音読の宿題

小学4年生にもなると、宿題の「教科書音読」をやらない子が増えてくるようです。

 

長男が小4の時、音読カードをみて「いつまでこれやるんだろうね」と言ったら「結構やってない子多いよ、誰々と誰々と…はやってないって」と7~8人の名前を挙げました。

 

我が家では学校の宿題は禁止だから「音読はやってはいけない」のがルールです。

息子たちはしっかりルールを守っています。

 

でも、その子たちの家では「宿題(の音読)はやること」がルールになっているはずです。毎日当たり前のようにルールを破りつづけているんですよね。

 

『面倒くさいからやるべきことをやらない』を親も黙認しているんでしょうね。

『やるかやらないかは自分で判断して決めなさい』という家庭ならいいと思いますけど。

 

これがさらに高学年になるとまじめにやっている子よりもやらずに自分でサインだけする子の方が多くなるようです。実際に長男が小5の時にクラスのみんなに聞いて回ったところ、毎日ちゃんとやっていたのは5人だったそうです。

 

そもそも音読学習にはどのような効果があるのでしょうか?

 

文部科学省の「国語力を身に付けるための国語教育の在り方」というページには音読について次のように記されています。

 

 

<音読・暗唱と古典の重視>

   音読によって,国語力や独創力とかかわる脳の場所が特に活性化するという脳科学の知見もあることから,積極的に音読を取り入れていくことが大切である。また,音読することによって,漢字の読みを覚えたり,文章の内容を確実に理解したりできる。

   さらに,音読や暗唱を重視して,それにふさわしい文章を小学校段階から積極的に入れていくことを考えるべきである。特に日本の文化として,これまで大切にされ継承されてきた古典については,日本語の美しい表現やリズムを身に付ける上でも音読や暗唱にふさわしいものであり,情緒力を身に付け,豊かな人間性を形成する上でも重要なものである。現在以上に,古典に触れることのできるような授業の在り方が望まれる。

引用元:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/04020301/007.htm

 

一番最初に「脳の活性化」が出てくるところがもう呆れてしまいます。

ここでいう活性化とは、脳の血流量が豊富な状態をいいます。

 

ドキドキハラハラした時にも脳は活性化します。

美味しいものを食べたときよりも毒を食べたときの方が脳は活性化するでしょう。

命の危機なわけですから。

 

リラックスして難しい文章問題を考えている時よりも、単純な読み書き計算をしている時の方が脳は活性化するのです。

 

危険な「脳の活性化」という言葉

 

>音読することによって,漢字の読みを覚えたり,文章の内容を確実に理解したりできる。

 

漢字の読みを覚えたり…まぁこれはそういう場合もあるかもしれません。

文章の内容を確実に理解したり…これは違いますね。

 

読めても視覚イメージが再現されない言葉で綴られた文章をいくら読んでも理解にはつながりません。

 

 

音読はゆっくり情景を思い浮かべながら読むことが出来るなら、それなりにいい効果が期待できるでしょう。

 

では、子どもたちが家で音読の宿題をするのはどんな状況でしょうか?

落ち着いた状況で出来ているでしょうか?

 

親子とも忙しくて時間がない状況ではないでしょうか?

早く終わらせてゲームをしたい状況ではないでしょうか?

親に叱られていやいややる状況ではないでしょうか?

 

そういう状況では、単に読んで発生しているだけ、読んでも言葉からイメージを再現しない練習になっているのではないでしょうか?

 

完全に 逆効果 になってはいないでしょうか?

 

まぁなっているんですけどね。

 

そんなのは、目の前の子どもたちを見れば明らかです。