文章問題が苦手という子

「計算問題はできるけれど、文章問題が苦手」というお子さんが多いですね。

あまりにも多くて、みんな同じなんだ、子どもはそういうものなんだ、と勘違いをしてしまいそうになりますが、文章問題が得意な子はいます。

 

文章問題をたくさん練習して、得意になったという子が多いでしょう。

 

でも、解き方を 知らない「初めて見る文章問題」では、たくさん練習してきた子でも解けないケースが多いです。

 

しかし、そんな「初めて見る文章問題」でも解ける子がいます。

 

「生まれつき頭がいい子だ」という意見がありますが、私はそれだけではないと思っています。もちろん、遺伝的に賢い子というのはいますが、誰もが「初めて見る文章問題」でも解けるようになるのを普段からみていますので、遺伝で片付けることは出来ません。

 

では、そうした子はなぜ「初めて見る文章問題」でも解けるのでしょうか。 

 

理由は単純です。

 

自分の頭で考えるからです。

 

考えるとはどういうことかを知っているからです。

 

そして、その方法を身につけているからです。

 

解き方を知らなくても、考えれば答えは見つかるということを経験として知っているからです。

 

だから、子どもたちに考えるということを教えてあげて、その練習をすればいいのです。

 

文章問題の解き方が間違っている

もうひとつ、子どもたちに文章問題が苦手と思わせている理由があります。

 

それは、文章問題の解き方が間違っているからです。

 

一般的に、小学校で出てくる文章問題というのは、最初に式をたてます。

 

そして計算をして、答えを出します。

 

整理すると

 

①立式

 

②計算

 

③答え

 

この順番です。

 

実はこのやり方は、とても難易度が高いやり方です。

 

例えば、高学年でも解けない子が多いこの問題、

 

<S5級-05>★★

三つ目小僧チームと一つ目小僧チームがドッジボールをしています。

三つ目小僧チームのほうが2人多いようです。全員の目の合計は22個です。三つ目小僧チームは何人いるでしょうか。

 

何もヒントを出さずにお子さんにさせてみてください。

「わからない」 

「かけ算?割り算?」

と言うかもしれません。

 

「わからない」という場合、言葉の意味が分かっていないケースもあります。

 

”三つ目小僧” ”一つ目小僧” という言葉の意味がわからないかもしれません。

”2人多い” がわからないかもしれません。

”全員” がわからないかもしれません。

 

全ての言葉の意味が分かっていても、「式が立てられないから(何算かわからないから)わからない」 で終わってしまうケースがほとんどでしょう。 

 

しかし、問題文を絵にして答えを探すというやり方を知っていて、練習をしている子なら、初めて見るこの問題を小学一年生でも解くことができます。

 

実際に、多くの小学一年生たちが私の目の前で正解を出しています。

 

違いは明らか

学校の文章問題のやり方に慣れていても、式は立てないで絵を描くというやり方を教えてあげると、すぐに答えを見つける子は少なくありません。 

右の図は小学4年生が体験学習に来た時の作品です。

 

上の式が「好きなやり方でやってごらん?」といってやったもの。

 

真ん中の絵が、「ここ(一文)まで読んで絵にして、絵にしたらまた読んで絵にして、それでもう1回解いてごらん?」といってやったものです。


この問題の解き方を教えたわけではありません。

 

 

同じ日に、同じ机で、同じ鉛筆で、当然同じ子がやりました。この子の能力が急に高まった?

 

そんなことはありません。もともとあった能力の出し方を教えてあげただけです♪


下の画像も中学年の子が体験学習の時にやったものです。

左が「好きなやり方で解いてみて」と言ってやってもらったもので、右が「一文ずつゆっくり読んで、絵にして答えをさがしてみて」といってやってもらったものです。

 

同じ子が、同じ日に、同じ場所で、解き方も教えずに、これだけ違うのです。

 

式は難しい

この問題を1つの式にすると、

 

(22-3×2)÷(1+3)+2=6

 

になります。

 

「計算の決まり」という単元で知識としては教わりますが、問題文を読んでいきなりこれを立てられる小学生は何パーセントいるでしょうか。

ばらけて式をたてると

 

3×2=6 ・・・2人多い三つ目小僧の目の数・・・①

 

22-6=16 ・・・①を除いた三つ目小僧と一つ目小僧の目の数・・・②

 

1+3=4 ・・・三つ目小僧と一つ目小僧1ペアの目の数・・・③

 

16÷4=4 ・・・②の中に③(ペア)がいくつあるか。・・・④

 

4+2=6 ・・・④と多い三つ目小僧の人数を合わせると三つ目小僧全員の数がわかる。

 

最初に式をたてて・・・ではまず解けません。

 

つまり、学校で刷り込まれている、まず最初に式をたててというやり方は、間違っているのです。

おまけに、絵図は描かずに、指は使わずになどという指導をされてしまっては、頭の中で絵図が描ける子しか解けないんです。

 

文章問題の正しいやり方は、

 

まず絵図を描いて、

 

計算をして、

 

答えを出して、

 

最後に式をたてる。

 

これなんです。

 

そして、解き方を知らない文章問題を楽しみながら絵図を描いて解くことで地頭が鍛えられ、結果として学校の文章問題にも抜群の力を発揮するようになるのです。

将来役に立つやり方を身につける

学校の勉強は、解き方を教わって類題をこなせばテストで良い点を取ることができます。

残念ながら、今の小学校や中学校さらに言えばほとんどの塾ではそういう勉強をさせます。

 

学校のテストで良い点を取るための努力が、これからの時代に社会で必要となる能力を身に付けることに繋がっていないんです。

 

単純な仕事はどんどん人工知能が奪っていきます。

 

言われたことを言われたとおりに頑張るという能力では、やれる仕事がなくなっていくんですね。

 

大学入試制度も変わります。

高校生になってから、自分の頭で考える訓練をすれば対応できるか?

 

それは難しいと思います。

 

現時点で小学生であれば、新しい入試制度で受験をすることになります。

 

しかし、教育現場はまだ変わっていません。

 

変わるのを待っている時間はありません。