子どもには不便なほうがいい

 

昔に比べると、日常生活はとても便利になりました。

 

ボタン一つで冷めたご飯が温まり、セットしておけば朝起きた時にはご飯が炊けています。

 

お風呂もボタンを押すだけで自動的にお湯が出て、自動的にお湯が止まり、教えてくれ、一定の温度を保ってくれます。

 

私が子どもの頃、お風呂には追いだき機能しかついていませんでした。

 

昔は水を汲んで薪に火をつけて温めていたのですから、それを考えればとても便利でしたが、最近のお風呂の性能に慣れてしまうととても不便に感じそうです。

 

我が家のやり方はこうでした。

 

①水を出来るだけチョロチョロ溜める。
 …その方が水道代が安いと母親が言っていましたが本当かどうかはわかりません。
②追いだき機能を使って点火

③温まったら消す

 

 

タイマー機能がついていませんでしたのでつけたら自分で消さないといけません。

 

たまに消し忘れて、熱過ぎて入れずに叱られた覚えがあります。

 

  

水も勝手には止まりませんでしたので、このくらいの水の出方だと、大体何分くらいかな?と見当をつけ、途中で何度か確認して終わりの時間を正確に予測します。


 

 

 

20分で10cm程度なら、あと何分で…と言う感じですね。

 

火をつける時も、季節によって水温が違いますから、大体何分かなぁと考えます。

 

お風呂の準備をするといった単純なお手伝いでも、時計を見ながら見当をつけて、自分の頭を多少なりとも使っていたんだなあと思います。

 

 

現代は…ボタンを1回押すだけです。

 

まったく頭を使うことがありません。失敗もない、工夫もない、ただボタンを押すだけです。

 

日常生活が便利すぎるというのは、成長過程にある子どもにはあまりよくないことなのです。

 


薪で沸かすお風呂の場合ならもっと不便ですが、多くのことを考え学ぶことでしょう。

 

天気が悪い時や湿度が高いときは薪に火がつきにくい、折角ついた火も湿った薪だと消えてしまう。

 

薪が燃え尽きるまでにかかる時間やお風呂を沸かすのに最低必要な薪の量、そういったことを試行錯誤しながら経験することが出来ます。

 

学校の勉強で”時間と時刻”の単元が苦手な子は、日常生活で”時間”を意識することが少ないのです。親が先回りして追い立てることはあっても…。

 

 

IH調理器の普及で、火を実際に見たことがない、使ったことがない子も増えています。

 

小学4年生の理科では、マッチで火をつけることが出来る子が少なくて、実験を進めるのに学校の先生は大変苦労しています。

 

火を実際に使ったことがない子たちが、”沸騰” ”蒸発” ”水蒸気” ”気化” ”燃焼” ”水の循環” を深く理解できるでしょうか。

 

日常生活で触れている子たちにとっては、勉強というほどのことではありません。

 

新しく習った”言葉”を自分の体験した記憶と結びつけるだけです。

 

しかし、体験したことがない子たちはすべてを丸暗記するだけで、深く理解することができずにすぐに忘れます。

 

沸騰して蒸発すると水が ”増える” のか、”減る”のか、学校の授業で習ったことを思い出そうとしたり、”増える”と思っている高学年の子ども達は、実は結構いるのです。

 

毎日の生活を不便にとなると、大人にとってはストレスになるでしょうから、お勧めなのが”キャンプ”です。⇒キャンプへ行こう 

 

アウトドアで自然を感じながら不便な生活を楽しむことが出来ます。