Let's think for children.

慌てると考えられない

塾を始めた時に使っていたパソコン上で行う学習システムには、問題ごとに所要時間が設定されていて、時間切れになる機能がついていました。(管理者権限でオフにもできる)

 

まぁ子どもたちの慌てること慌てること(苦笑)

 

慌てると落ち着いて考えるなんてまずできません。2分間も時間があるのに、数秒で適当な答えを出して間違えるなんてざらでした。

 

機能をオフにすると多少落ち着いて取り組んでいました。時間切れのタイマーを無視して考え続ける賢い子もいましたが、稀でしたね。

 

時間を計ると大人でも慌てますからね。

ストップウォッチが大好きな人がいます。

 

九九の上り・下り・バラバラ

大体の小学2年生は、九九の上り・下り・バラバラで目標時間を設定されて合格目指して何度も繰り返し暗唱します。

 

それなのに3~4年生で九九を忘れて導き出せずに固まる子が多いのはなぜでしょう?

下り・ランダムなどやめて、急かしてただ暗唱させるのをやめて、その子のテンポで九九が言えるように指導すればいいんです。

 

急かさなければ、7×4(しちし)を頭の中で4×7(ししち)にして言えるのに。

そうすれば、九九なんて1の段を除けばたった36個しかないのだから、子どもたちが覚えられないはずがありません。忘れたとしても導き出せればいいんです。

 

 

どんぐり倶楽部の三角計算(三角視算表)を使うとさらに子どもたちのストレスは軽減し、その後の割り算の準備学習になります。

 

 

九九を忘れる子が多い理由を分析せずに、一律に九九特訓を百マス計算や覚え歌で子どもたちに繰り返し繰り返し強要するなんて・・・

 

百マス計算

百マス計算は私も教室で使っていたことがあります。

失敗しました。

2011/07/08

前身の「ペガサス新松戸教室」のころ、全員授業の始まる前に百ます計算をしていました。

パソコンでやるのでゲーム感覚でみな楽しみながら取り組み、毎日来る子はどんどんタイムが上がって行きました。

 

足し算・引き算・かけ算で、それぞれ合格タイムを設定し、クリアしたら卒業というやり方をしていました。

 

あたりまえなんですが、毎日来る子はどんどんクリアしていきました。

特に小学生はタイムの伸びが著しかったですね。

 

しかし、タイムの伸びと普段の成績がリンクしないということがだんだんわかってきました。もちろん、ここの計算が速いので問題を解くスピード自体は速くなりましたが、間違えるポイント、頻度は変わらないか、計算を急ぐあまり問題をより読まなくなる子が何人か現れてきました。

 

失敗でした。

 

中学生やもともとの計算スピードがかなり遅い子には良い影響がでましたが、スピードが速い子はタイムは上がっても学習が雑になるという弊害がありました。

 

「計算ははやいが文章問題を読めない。計算ミスが多い」です。

 

絵で考える文章問題を教材として導入して約1年、弊害を感じた子は著しく考える力が伸びました。初めてのタイプの問題でも、「わからない」「習ってない」「無理」を言わなくなり、解けない問題でも絵図をかいて考えられるようになりました。

 

世の中は「百ます計算」「基礎計算の徹底反復」が主流になっていますが、塾で子どもたちを預かっている身としては危険な流れだと思っています。「百ます計算」「基礎計算の徹底反復」は頭を使いませんから、考えられない子どもたちを生み出し続けています。

 

「計算が速い」は「考える力がある」にはならないということを肝に銘じ、Gフォレスト新松戸校では、「百ます計算」とは決別いたします。

さらにこちらをどうぞ

【解答乱麻】TOSS代表・向山洋一 効果のある指導、ない指導

<産経ニュース 2011.4.30>

 

指導は、粗く言って3段階である。

 

第一は、やり方を教えること。教えられる側は「分かった」となる。

第二は、やり方を身につけること。「できる」という状態になる。

第三は、やり方が十分に身につくこと、習熟である。「大丈夫」となる。

 

大切なのは、第一と第二のステップだ。

「やり方」が分かり、「できる」となることだ。

力量のある教師は、そこを大切にする。

力量のない教師はそこをおろそかにする。

「教えて、ほめる」が力のある教師、「教えないで、叱る」のが駄目な教師である。

 

「計算」や「漢字」を教えるのに、毎日「ドリル」や「プリント」をやらせて、点検する教師がいる。親は「勉強している」と思うが、この方法では、学力はつかない。

 

第一と第二のステップがないからである。ソロバンの指の使い方を教えないで、毎日、宿題に練習させているようなものだ。

 

同様に百マス計算も効果がない。

第一と第二のステップがないからだ。「教えないで、ストップウオッチでおどしている」のである。百マス計算をとり入れた全国の1千校ほどを調査したが、ほとんどなくなっている。

 

効果がなく、算数の授業時間がつぶれ、発達障害の子供たちが氾濫したからである。

 

【プロフィル】向山洋一むこうやま・よういち 30年以上の教員経験。代表を務める「TOSS」(教育技術法則化運動)は全国の教員約1万人が参加。

発達障害の子供たちが氾濫したとありますね。

 

大ベテランの教師が書いた記事です。今、発達障害と疑われる子たちは簡単に検査機関に誘導され、支援クラスに隔離され、投薬を受けるケースも増えているようですが、子どもたちをそのような状態にする原因の1つになるのですよ。

 

TOSSについては、正直あまり良い印象を持っていませんが、こちらの記事は良かったので引用しました。

目先の効果しかあがりません

どうせまた忘れますよ。2年生の時にさんざんやらせたのですから、そこから学びましょう。

 

忘れないようにやらせ続けたとして、単純計算しかできない、文章問題はお手上げの考えない計算マシーンを量産するだけです。

 

いじめから逃れるためにお金を払わされていただけ、

おごりおごられる関係でいじめではない

 

と言った某教育委員会と同じように、

 

子どもたちにはしっかり指導をしたのだから、家庭学習の習慣がついていないことや、親の意識が低いこと、演習不足が子どもたちの低学力の原因だと言い続けるのですか?

 

言わされ続けるのですか?