広告塔に騙されないように

教育業界では割と当たり前の話ですが、もともと「勉強面で賢い」子というのはある程度の割合でいるものです。

 

それこそ、放置していても、ろくに勉強しなくても、どんな学習方法をあてがっても、抜群に良い成績をとる子たちです。

 

そして教育業界では、そういう子たちを広告塔に仕立てて塾生を増やそうとします。

 

幼児・児童向けのある教室では、どんどん先の学年の教材に取り組ませ、それを体験に来た家族に見せて「お子さんもこうなれますよ」という雰囲気を醸し出します。

 

私もその教室に息子を体験学習に連れて行った時に味わいました。

 

※3歳から6年間も預かっておきながら、中3で「6たす7っていくつでしたっけ?わすれた。」と質問に来た子が通った教室と指導者に興味があって行ってみただけなんですけど。

 

そこでは、年長さんが小4の割算筆算をノーミスで正解したプリントと英語のプリントを見せられました。たまたまその日に来ていたその子の姿も見せてもらいました。

 

体をゆすりながら頭をぐるんぐるん回しながらひたすら計算問題に取り組んでいる姿に恐怖を感じたのを覚えています。

 

ただ、そんな私でも小4の割算筆算プリントを見せられた時には「凄い」と驚かせられました。

それを、普通のお母さんが「凄い、うちの子もこうなってほしい」と通わせたくなる気持ちもわかりました。

 

イメージする力が大切です。

 

その教室の算数プリントは計算問題が中心でしたので、こんなことを聞いてみました。

 

「少し難しい文章問題を解くには、イメージする力が必要だと思いますがその辺はどうお考えですか?」

 

『その通りです。イメージする力はとても大事ですので、同時に国語を受講されることをお勧めします。』

 

マニュアル通りの返事ですね。

 

算数だけでは文章問題を解けるようにはならない言い訳にも使えますし、国語も受講してくれたら授業料2倍で教室としてはありがたいです。

 

さらに最近は英語熱もあって、英語を受講させるケースも増えています。

1人の子どもが、算数、国語、英語を受講するということ。

 

当たり前ですが、教室はボランティアではなく営利を目的にやっています。

入会させ、コマ数を増やし、通う期間を出来るだけ長くするように努力します。

 

 

授業料免除で謝礼ももらえる?

塾で「模試」を受けたり、季節講習に通ったりのあとで、抜群に賢く本来塾に通う必要がない子が塾に通いだすことがあります。

 

もしかしたら、授業料免除でいいから塾に所属をしてほしいと頼まれたのかもしれません。

無料で希望する授業を受けられるのですから、保護者からしたら歓迎です。

 

なかには謝礼を貰うケースもあります。

本人も歓迎ですね。

 

何故塾はそんなことをするのでしょう?

 

はい、広告宣伝の為です。

賢い子が通っている塾というPRのため。

合格実績を次の生徒募集のPRに使うため。

 

集団授業に数人増えようが、謝礼を少し支払おうが微々たるものです。

広告宣伝費としては安いものです。

 

そうした子が偏差値上位のA校、B校、C校に合格したとすると、

合格実績 A校1名、B校1名、C校1名となります。

 

ひどい塾だと、模試だけ受けに来た子たちの進路を調べてそれを自社の成績に加算するなどということもあります。(受験後に模試を受けた塾から調査の為と電話が来ます)

 

各塾の掲げている「●●校〇名合格!」の数字を全部足したら、実際の合格者数をはるかに上回るなんてことも業界あるあるです。 

 

塾だけじゃない

なんか卑怯だなと思うかもしれませんが、塾業界だけではありません。

 

私立高校では、特定のスポーツや勉学において秀でている生徒を優遇するということはよくあることです。

 

授業料・部費免除のスポーツ奨学生、授業料免除の特進クラスなどですね。

 

レギュラー(スポーツ奨学生)の授業料・部費を、レギュラーに慣れない部員(の親)が支える構図、野球の強い私立校にお子さんを通わせているお父さんから愚痴を聞かされたことがあります。